人質になります!と意気込んだものの、これって全然人質の扱いじゃないですよね?


「でも、お父さんだって20代から40代の男性だし」

「おおい、ドワーフの族長を疑うってのか? 特長にドワーフと書いてあるならまだしも、ありえないな」

「お父さん、まさかの顔パス? でも、斧もってるし」

「もってるだけだ。ドワーフが強盗なんかするはずないだろ。そんな物騒なこと考えるなんて、リリーのほうこそ捕まえてもらってこい。リリーだって、斧を所持してるじゃないか」

「やだよー!」

「そうか。一生人質に取られるよりはマシだと思ったんだけどな……」

「冗談はやめてよー」

 そう言って笑い飛ばしたけれど、お父さんのそれは少しも冗談には聞こえなかった。

 お父さんは『そうだな……』とだけ小さく呟いた。


 それからすぐに町の通りに出た。

 うっわあああ……

 私の足はすくんでしまった。

 たくさんの人が行き交っていた。色々な音や声が入り混じって、やたらと騒がしい。

 それと建物が大きくない?

 建物だけではなかった。建物に付いているドアも大きければ、窓の位置も高い。

 見上げていると、自分がみるみると縮んでいくような錯覚を起こした。