「今日はどうして町へ?」
「これから王城まで行かないといけなくて、馬車を借りに来たんだ」
「へえ、それで。後ろのお嬢さんは、族長さんの連れですか?」
「俺の娘」
「えっ、似てないですね。似てなくて可愛い」
わっわっわっ、たとえリップサービスだとしてもうれしいかも……?
「余計なお世話だよ」
「娘さんも王城まで?」
「そうなんだ」
「遠くまで大変だね。気をつけて行っておいで」
最後のセリフは明らかに私に向けてだった。
ひらひらっと、手まで振ってくれた。
私は戸惑いながらも、ぺこりと頭を下げた。
「あれっ!?」
「何だ、大きな声を出したりして」
「荷物検査は?」
私とお父さんはすでに検査所を通過してしまっていた。



