人質になります!と意気込んだものの、これって全然人質の扱いじゃないですよね?


「姉さん、きっとまた会おうね」

 私はニ度と会えないことを覚悟している。

 でも、そんなことはわざわざ言わなくてもいい。サイラスだって本当のところ、そのことを知っているに違いないんだから。

 私は、『うん、きっとね』と答えるだけに留めておいた。

 私とお父さんは、台車から荷物を下ろして担いだ。

 私たちが行かないと、ふたりはいつまでもここにいるんだろうな。

 それが分かっていたから、私はお父さんに合図し、町に向かって歩き始めた。

 それから少しすると、ダダダダダッ……ダダダダダッ……という獣の足音が聞こえてきてた。

 徐々に遠ざかっていって聞こえなくなるまで、私は耳を澄ませていた。

 お父さんはそのことに気づいていたのか、しばらく黙ったまま歩いてくれた。