人質になります!と意気込んだものの、これって全然人質の扱いじゃないですよね?

 町の前まで連れてきてくれたお礼に、私は大イノシシに好物のドングリを食べさせた。

 2頭はフゴッフゴッ鼻を鳴らしながら、勢いよく食べてくれた。

 大イノシシを町の中へ入れることはできない。

 だから、お兄さんとサイラスとはここでお別れだ。

 別れ難かったけれど、ふたりには日が沈むまでにドワーフの村に戻ってもらいたい。

 慣れているといっても、夜の森はドワーフ族にとってもとても危険だから。

 私はお兄さんとサイラスを順番に、ありったけの力で抱きしめた。

「リリー、ドワーフ族と母さんのためにありがとう」

「姉さん、どうか元気で」

 私は何も言えなくて、ふたりの胸に強く顔を押し付けて、何度も何度も大きくうなずいた。