王城へ行くためにまずドワーフの森を抜け、一番近くの町で馬車を借りる計画になっている。
それのどこが問題かって……
ドワーフの村から町まで行くのに、徒歩を除けばイノシシが唯一の交通手段ということだ。
ドワーフの村では、大イノシシを飼っている。
非常に力が強く、スピードもある。しかし、如何せんイノシシは真っ直ぐにしか走れないのだ。しかも、視力は弱いときている。
だからイノシシに乗るときには、前方に障害がないかをよく確認してから、ダーッと思いっきり走らせて、いったん止めて、また前方を確認してダーッと一気に走らせて……これを延々と繰り返す。
神経を消耗する上に、乗り心地もはっきり言って『悪い!』のひと言に尽きる
今回は、サイラスと従兄のお兄さんが町まで送ってくれることになった。
ふたりはそれぞれ大イノシシに騎乗し、その大イノシシに台車を曳かせる。私とお父さんは、荷物と一緒にその台車に乗り込むのだ。



