お父さんの後ろには、ウィル様がいた。
目が合った瞬間、お互い笑みが溢れた。
「さっそくで申し訳ないんだけど、父上と母上のところに来てくれる?」
私たちが応接の間に入ると、国王様と王妃様も間もなくやってきた。
「リリーさん、短期間に移動ばかりさせて悪かったね。でもウィリアムが今回の報告には、どうしてもリリーさんに『同席してもらいたい』と我儘を言うのでね」
ウィル様は『ええ』と言って、にっこり微笑んだ。
「報告を始める前に、父上にひとつ確認させていただきたいことがあります。ドワーフ族と交渉するにあたって、父上は僕に『その場で判断を下して、交換条件の提示なりをしてもよいという権限』を下さいましたよね?」
「確かに与えた。それは議事録にも残っているはずだ」
「安心しました。では、報告に入ります。まず、これまでのドワーフ族の王国に対する貢献度は計り知れなく、その忠誠は疑う余地がありません。そこはいいですよね? よって、このたび族長を正式なドワーフ領の領主として任命することにしました! あっ、ちなみにこれにより、人質制度は自動的に廃止となりました」



