「お母さん、行ってもいい?」
「行くしかないじゃないの。そうだ、王城でお父さんに会えたら、『帰るまでに男の子の名前を考えておいて』って伝えて。リリーのせいで女の子の名前しか用意してなかったんだから、くれぐれも忘れないでね」
お母さんは快く(と言っていいかは分からないけれど、ともかく)送り出してくれた。
ドワーフの森の外で待機していた王家所有の馬車に乗って、私は王城へ向かった。
王城では、お父さんが私のことを出迎えてくれた。
「お父さん! よかった、元気そうで安心したー。『負傷者がいる』って聞いてたから」
「ああ、火傷を負った者や、尻尾が当たって骨折した者がいる。だけど、死者が出なかっただけでも御の字としないとな。そっちはどうだ、問題なかったか?」
「こっちは赤ちゃんが産まれたよ。男の子!」
「そうか、きっとお前たちもがんばってくれたんだろうな……ん? 男の子?」



