人質になります!と意気込んだものの、これって全然人質の扱いじゃないですよね?


 そのあと、『早く寝てほしい』とお願いしたのに、『興奮して眠れるわけがない』と言い張って、ウィル様は工房まで送ってくれた。

 工房の近くまで来たら、ウィル様は私を工房の建屋の脇に引っ張った。

 そして、何度目かも分からなくなってしまったキスを、念押しするみたいにもう1回した。しかもとびきり濃厚なキスを(私、未成年なのにいいの!? ってレベル……)。

 工房の中に入るまで見届けられるのは気恥ずかしい。でも、しあわせな気分だった。

 その余韻も束の間、工房に入った私は仲間から笑われてしまった。

「リリー、遅ーい。寝坊したな?」

「ごめんなさーい!」

 寝坊はしていないものの、遅刻は遅刻だ。

 さあ、ここからは気合いを入れていかないと。

 私も最後までがんばるんだ(目はぱっちり覚めてるから大丈夫)。