人質になります!と意気込んだものの、これって全然人質の扱いじゃないですよね?


 ウィル様が、ふーっと長く息を吐いた。

「だけどドラゴン討伐では、自分だけ遠くの安全なところにいるっていうのがどうしてもね。ドワーフの部隊に危険な接近戦を任せておいて、失敗でもしたらって……正直、怖気づいてる」

「ドワーフの斧部隊は強いなんてもんじゃないですよ。それと、私たちが作ってる矢もあるんです。目いっぱい援護してください」

「そうだった! リリーは勝利の女神だね」

「そんな大層なものじゃないですよ。ただの細工師です」

 いつものリップサービスが出てくるくらいには元気が出た? それならいいんだけど……


 夜空で星がチラチラと光った気がした。

「それでもやっぱり情けないことに、どうしようもなく怖いんだよね……」

 ウィル様がおもむろに屈んだ。

「作戦の成功を祈って、勝利の女神様から……もらえないかな?」

 私があげられる物だったら何だって! と思った。