人質になります!と意気込んだものの、これって全然人質の扱いじゃないですよね?


 煮立った鍋をかき混ぜながら思い当たった。

「でも、芋料理は芋料理なんだ?」

 独りごちたところで、工房の仲間が呼びに来てくれた(食事のついでだったけど)。

「リリー、お待たせ。出番だ」

「気張っておいで」

 お母さんは突き出たお腹で、私を押し出してくれた。


 到着したときにはすでに鋳型に2回目の流し込みがおこなわれている最中だった。

「リリーはこっちに来ーい」

 呼ばれて工房の奥に入っていった。

「片っ端から研磨していく。ただし、今回の目標は矢尻の部分を鋭利にすることと、クロスボウにセットできるようにすること、この2つだけだ。狙うのはデカいドラゴンなんだから、少々不均一な仕上がりで真っ直ぐに飛ばなくたって構わん」