人質になります!と意気込んだものの、これって全然人質の扱いじゃないですよね?


 それほど時間はかからず、次々と料理が出来上がった。

 そこで手分けして、村中に知らせに行った。

「食べに来られる方から、いつでも食べに来てくださーい」

 最初にやってきたのは子どもたちだった。

「あれ? みんなお髭を付けてるね」

 集会所で寝床を作るときにはなかったのに。

「リリーの真似したの!」

 みんなして『見て、見て』と見せびらかしてきた。

 無邪気で可愛らしかった。

 この子たちが大きくなる頃には、髭に関する掟は形骸化するのかも……

 そんな考えが頭をよぎった。

 そうしたら、付け髭は単なるファッションアイテムになるのかな?

 それでいいと思う。

「みんな、格好いいよ。さあ、好きな鍋の前に並んでね。ただし好き嫌いしないこと。何たって髭を付けてるんだから、大人と同じようにね」

 子どもたちは『えーっ』とブーイングしながら、ゲラゲラ笑った。