『私も鋳型を』と言いかけたところで、後ろからポンッと肩を叩かれた。
「さすが、俺の娘だ。やるじゃないか」
いつの間にか、お父さんとウィル様も工房に来ていた。
「私は明日からしか出番はないんだけどね、へへっ」
「なら、こっちを手伝ってくれ」
お父さんの手招きについていくと、村の中央広場ではあちこちで薪と大鍋が運びこまれていた。
「こういうときだからな。村一丸となろうと思って提案してみたんだ。各家庭で食事の準備をするのも手間だろう?」
「すごくいいと思う! お祭りのときみたいだね……って、不謹慎かな?」
「いや、それでいい。これも一種の祭りだ。負傷者を出さずにドラゴンを退治して帰ってこられるように祈るんだ」
『負傷者』という言葉にドキッとした。
そういう可能性もあるんだ……



