お父さんだって、これが最善って知っているはずでしょ?
けれど、お父さんにも覚悟を決めるための時間ってものが必要なのかもしれない……
「リリー、」
ようやくお父さんが口を開いた。
お父さんが声を出すのは、広間に集合して初めてのことだった。
その声はしゃがれていた。
私はおでこを床から離して、お父さんを見据えた。
お父さんはゆっくり目を開け、それから頭を下げた。必死に涙を堪えているのが分かる。
「リリー、すまない。ドワーフ族のために頼んだ」
「お父さんもみんなも、任せてくれてありがとう」
私がそう言った瞬間、お父さんも含めて全員がわーっと泣いた。
けれど、私は最後まで泣かなかった。絶対に泣くもんか! と決めていたから。
これでいい。これで、めでたし、めでたしだ。



