人質になります!と意気込んだものの、これって全然人質の扱いじゃないですよね?


 他に選択肢がなくて、私はウィル様の隣に座った。

「いただきます」

 手を合わせて、お母さん特製のオムレツからいくことにした。使用しているのは、村で放し飼いしている鶏が産んだ卵で、これが絶品なのだ。


「ああ、おいしいなー。もう干し肉には戻れそうにないよ。帰路はどうしよう」

 ウィル様が嘆いた。

 ほら、私の言った通りだ。どれもおいしいんだから、何でもいいに決まってる。

 食べている最中に、うさぎ肉のステーキと山盛りのカットフルーツが追加された。

「お母さん、やるじゃない」

 『何を出せば』ってあんなに慌ててたのに……

「お隣さんが差し入れてくれたのよ」

 へーと思った。

 私の家族以外の村民も、ウィル様たちを温かく迎えてくれるんだ……

 厄介事を持ち込みに来た、くらいに思われても仕方ないと思っていた。

 私が王城で優しくしてもらえたみたいに、ウィル様たちに優しく接してもらえるのはうれしかった。