お父さんが『ふー』と長い息を吐いた。
「筋は通っていますね……分かりました。いいでしょう」
「ありがとうございます!」
ウィル様は感激した様子でお父さんの手を握った。
ああ、私の気持ちは置き去りにされてしまった……
そんな場合でないことも理解しているけれど、それでもやるせない思いでふたりの握手を眺めた。
「しかし、動く前に村の全員に話をしなければなりません。そのための時間をください。この集会所でよければ食事と寝床を用意しましょう。みなさん、お疲れのご様子ですから、待っている間に少しでも休息を取ってください」
「お気遣い、感謝します」
それからは、バタバタだった。
1番びっくりしたのはお母さんだと思う。
「えっ!? 王子様に食事なんて、何を出せばいいのよ?」
オロオロしながら、私に尋ねてきた。



