「身分を証明できる物を提示してください」
私はウィル様の腕から顔を出して、片手を上げた。
「ただいま。リリーです」
「えっ!? リリー? 本当に?」
「お父さんに今すぐ会いたいの」
「おう、分かった。走って呼んできてあげるから、ちょっと待ってて……じゃない、ええっと、少々その場でお待ちください」
門番のひとりが一礼すると、村の中へ駆けていった。
しばらくすると、お父さんを先頭に、お兄さん、それから少し遅れてサイラス、お祖父さん、お祖母さんが走って来るのが見えた。
サイラスにいたっては、昼食の途中だったのだろう。口をモグモグさせている。
おっ、飲み込んだ……と思ったら、のどに詰まらせたらしい。胸を叩きながら、それでも走り続けている。
そしてお母さんは妹たちと手を繋ぎながら、最後尾をゆっくり歩いてきた。
お母さんのお腹はもういつ出産してもよさそうなほど大きくなっている。
お腹の赤ちゃんは順調に育っていることがうれしかった。



