人質になります!と意気込んだものの、これって全然人質の扱いじゃないですよね?


 私はウィル様から手を離した。

「えー、残念だなー」

 このときだけ、ウィル様にいつもの軽さが戻っていた。

 それにしたって、失礼しちゃう。

 ウィル様は、私のことをテオ様と同じ年頃のように扱ってるんだと思う。

 これでも、貴方に恋する乙女なんですからね?


 ウィル様の一行は昼夜関係なく、馬を走らせた。

 途中で馬が疲れてきたら、1刻半から2刻ほど休憩させた。

 その間に私たちも食事を取ったり、交代で仮眠をとった。

 ドワーフの村に着く頃には、馬も人もヘトヘトのドロドロになっていた。

 でも、その甲斐あって、翌々日には到着した。

「至急、族長に会わせてください」

 門番のドワーフがこちらを見た。

 懐かしい顔だった。

 ここで見送ってもらったのは、5ヶ月も前のことになる。

 帰ってきたんだという実感がこみ上げてくる。