「何とかなるかもしれません」
「おおっ!」
全員の顔が明るくなった。
「父上、ドワーフの族長には、これまで守り通してきた掟に反する決断をお願いすることになります。交渉には、第一王子である僕に行かせてください」
国王様は一考したあと、重々しく頷いた。
「ウィリアムの言う通りだな。くれぐれも頼んだ」
「この任務に全力で当たりますが、難しい交渉になるかもしれません。その際には僕がその場で判断を下して、交換条件の提示なりをしてもよいという権限をください」
「ああ、それはもちろんだ。だからこそ、お前に任せたんだ」
「ありがとうございます!」
ウィル様が『よしっ!』とでもいうように、手をぐっと握りしめた。
「それから、今回の交渉にはリリーも連れて行きます」
「はっ? えっ!? 私ですか?」
思わず、部屋を見回してしまった。
みんなして一様に頷いている。
「リリー、来て」
ウィル様は私の手を取って立たせると、その手を繋いだまま部屋を足早に出た。
「えっ、あの……失礼します」
部屋に取り残されている偉い人たちに頭だけ下げ、私もウィル様と廊下を駆けた。



