声が震えてしまったけれど、かろうじて聞き取れるように『失礼します』と言うことはできた。
椅子に浅く座ると、ウィル様は私の肩を軽く叩いた。『僕がいるから安心して』と言われた気がする。
そのときになって、自分がつなぎ服で国王様の前に座っていることに気がついた(庭仕事中に呼ばれたから)。
でも、それを気にする余裕のある人もいなかった。
「リリーさん、単刀直入に状況を説明させてもらおう。情けないことに、我々ではドラゴンに手も足も出ない。矢は当ててもはね返されてしまうし、砲弾を投げてもしばらくは退くがまた戻ってきてしまうあり様だ。時間稼ぎにしかなっていない。とりあえず麓にある町の住人らは避難させているが、砲弾を使い切ってしまえば王国中が危険にさらされる……」
部屋の空気がピンッと張り詰めた。



