人質になります!と意気込んだものの、これって全然人質の扱いじゃないですよね?


 テオ様は毎朝情報をアップデートしてくれた。

「翼はあるけど小さく退化しちゃってるから、どうも飛べないらしいよ。だけど火を吐くから厄介なんだって。遠くから攻撃してるんだけど、体が固くて矢をはね返しちゃうんだ」

「そうなんですね」

 私は相槌を打ちながら聞くことしかできなかった。

 それからどうにもならないこの状況に、テオ様とため息を吐いた。


 そのため息が霧散するかしないかというタイミングで、後ろから声をかけられた。

「リリー、一緒に来てくれないか?」

「ウィル様!?」

 ウィル様はいつもの軽やかな口調ではなかった。

 雰囲気も全然違った。柔らかくなくて、ピリリッとしている。

「父上が君と『話したい』と言ってるんだ」

 国王様が? 私と?

 ウィル様とは、ふたりで踊ったあの日から会っていなかった。

 顔が疲れているように見えた。

 そんなの当たり前だ。

 私の胸は締め付けられた。