噴火している山の峰を、何か巨大な物体が這っている。
「嘘でしょ? ドラゴン!?」
自分の目が信じられなかった。
けれど、ドラゴンでなければ、あれは何だというの?
イヴリンさんもベッドの下から出てきて、窓の外を見た。ベッドの上にあったクッションのひとつを頭に乗せている。
「これまでに見たことはありませんが、私もあれはドラゴンだと思います」
実在したんだ……
机の下から出て、のろのろと窓の前に立った。
イヴリンさんは素早くベッドからもうひとつクッションを取ってきた。
「リリー様、これを頭に!」
『ありがとうございます』とお礼を述べたものの、それが自分の声だという実感はなかった。
全然知らない人の声に聞こえた。



