人質になります!と意気込んだものの、これって全然人質の扱いじゃないですよね?


 私は正面に座っているお父さんから右回りに、ひとりひとりの顔を見ていった。

 まずはお父さん。

 お父さんは目を閉じて険しい表情をしている。

 娘の自分が言うのも何だけれど情に厚くて、族長としてドワーフみんなから慕われている。

 これから誰を次の人質に選んだとしても、すごくツラい思いをしてしまうんだろう。本当は、自分が人質に立候補したいぐらいの気持ちでいるはずだ。

 でも、それができないことも分かっている。

 ああ、これから苦しい決断をしなければならないんだね。

 神妙な顔をしているのは、前族長のお祖父さん、それから、お祖母さん。

 年老いたふたりに人質なんて、もちろんさせられるはずがない。