人質になります!と意気込んだものの、これって全然人質の扱いじゃないですよね?


 ウィル様とこのまま一緒にいられるなら、どんな名目だって構いません。お任せします。

 そう思っている自分に気がついて、慌ててかぶりを振る。

 貴族でも何でもない私がウィル様と一緒にいられるのは、私がドワーフ族の人質だからだ。

 人質でなくなったら、いくらウィル様でも私を城に置いておく理由がない。『ドワーフの客人なんだ』って、ずっと王城に住まわせるなんてできないでしょ。

 客人として丁重に扱ってもらえていても、私はやっぱり人質なんだと実感する。

 人質でよかった、と思うなんておかしいね。でも人質だからこそ、ウィル様のそばにいられる。

 身のほどを弁えないと……

 だけど、今だけ……今だけは!

 ウィル様とふたりきりのこの時間だけは、何も考えずに楽しく過ごしたい。