人質になります!と意気込んだものの、これって全然人質の扱いじゃないですよね?


 森に帰ればまた家族と暮らせる。

 けれど、ウィル様とはお別れ。きっと会うことは二度とない。

 それは嫌です!

 私はウィル様が好きです、そばにいたいんです!

 声には出さず、代わりにウィル様の瞳を見つめて懇願した。

 ウィル様はそれを勘違いしたらしい。

「あー、期待させてごめん。そういう意味ではなくて……もっと真っ当にっていうか、人道的な手段でリリーをこの城に住まわせたいんだ」

 想像もしなかった答えに、ほっとしつつも頭の中は混乱した。

「ええっと……結局この城には住み続けるんですか? だったら、今と何が違うんですか?」

 実質だけでなく名目上も自由に、けれど王城には住む……?

「リリーはまだ分からなくていいよ。そのときが来たらで。僕が勝手に画策するから」

「はあ……」