「いいな、リリーは本当に自由に踊るんだね。ねえ、普段は王城で窮屈な思いをしたりしてない?」
「窮屈……?」
使わせてもらっている部屋は広いし、自由に庭の散歩もさせてもらえている。そして何より細工師にも復帰させてもらった(現在は休暇中だけど)。
ウィル様はこれの一体どこを指して、『窮屈』じゃないかって聞いてるのかな……
「僕はリリーのことを人質でなくして、自由にしたいと思ってるんだ」
「今だって、実質は全然人質じゃないですよ」
「そうかもしれないけど、名目上もね」
「あっ、私のことをドワーフの森に帰したいってことですか?」
心拍数が上がっているのは、踊りのせいではなかった。
私を帰すと『淋しい』って言ってたのは? 混じりっけなしの純粋なリップサービスでしかなかった?
リップサービスだとしても、そこにほんの僅かでもいい。本当にそういう気持ちが含まれてたら……って期待してしまっていた。



