人質になります!と意気込んだものの、これって全然人質の扱いじゃないですよね?


 なーんだ、そういうこと!

「私たちの踊りに、きちんとしたルールなんてないんですよ。ただリズムに合わせて体を動かして、手拍子足拍子を取るだけで……」

「自由でいいよね」

 ウィル様が踊るのを見ていると、自分の身体がウズウズしてくるのを感じた。

「ほら、リリーも」

 そう促されたら、自然と私の手は鳴り、足はステップを踏み始めた。

 気づいたときには、ウィル様と視線を合わせながら踊っていた。


 広い会場で踊っているのは私とウィル様だけ。

 踊るなんて、いつ以来かな?

 ずっと踊っていなかったのに体は軽い。

 いくらでも踊れそう!

「楽しいね」

「楽しいです!」

 ウィル様も同じ気持ちなのがあんまりにもうれしくて、『ふふっ』と笑いが漏れた。