人質になります!と意気込んだものの、これって全然人質の扱いじゃないですよね?


「わあ、なんて可愛いドレス!」

 箱を開けて出てきたのは、胸元はレースで、スカート部分は刺繍で飾られたドレスだった。

 イヴリンさんまでため息を漏らした。

「それから、これも着けてきてほしいとのことです」

 その木箱には見覚えがあった。

 見覚えがあったも何も、私からウィル様に渡したものだった。

 何に入っていたのは、もちろん私が製作したイヤリングだ。

 私にだったんだ。

 イヴリンさんに手伝ってもらいながら着替え、イヤリングを着けた。

「リリー様、せっかくですから少しだけお化粧もしてみませんか?」

「えっ、お化粧なんてしたことがないから、やり方が分からないです」

「お任せください。すぐにお化粧箱を取って参りますね」


 イヴリンさんを待つ間、鏡を見た。

 本当に素敵なドレス……映っているのは間違いなく私なのに、私じゃないみたい……

 そしてドレスにイヤリングがよく合っていた。

 ウィル様はそれを計算した上で、このイヤリングを私にオーダーしたんだろう。

 でも……と思った。