人質になります!と意気込んだものの、これって全然人質の扱いじゃないですよね?


「あっ、またアクセサリー製作の依頼でもあるんですか?」

 ウィル様の恋人のために作るのは、とてもじゃないけれど気が進まない。

 職人としてあるまじきなんだけど、こればっかりはどうしようもない。

 ウィル様の顔を見ていられなくなって視線を下げたら、意外な答えが飛んできた。

「そうじゃなくて、淋しいから」

「へっ!?」

 またもやリップサービス!

 予期しなかった返答に、『ぷぷっ』と噴いてしまった。

「笑うなんてひどいなー。リリーと出会ってからの僕は、リリーとのお茶の時間を何よりも大事にしてるってのに!」

 笑いながらも、『私もです』とこっそり思った。

「成人したら僕の裁量が増えるから、仕事を効率化して絶対に毎日リリーとお茶してみせるからね」

「楽しみにしてます」

「でもその前にもリリーの時間をくれない? 僕の誕生日の前日、たぶん夕方遅くになってしまうと思うんだけど」

「それはもちろん構いません……」

 お茶? うん、お茶だろうな。