人質になります!と意気込んだものの、これって全然人質の扱いじゃないですよね?


「僕のことよりもリリー、心配なのは君のほうだよ。最近、元気がないよね?」

「そ、そうですか?」

 お茶もしていなかったのに、よく見てる……

「今だってそうだよ」

 ぎ、ギクッ!

 ウィル様は私が王城で生活するようになって以降、ずっと私のお世話係みたいなことをしてるから、気にかけて見てくれてるのかも……

「ひょっとして、ホームシック?」

「ホーム……シック……?」

 私、ホームシックだった?

 まあ、家族や村のみんなに会いたい気持ちはいつもどこかしらにあるし、ふとした瞬間に思い出しもする。

 けれど、私が工房にいてもなおやる気を出せない理由はそれではなかった。

 疲れたのかも? なんて自分を誤魔化してきたけれど、本当はそんなんじゃない。

「そうではなさそうだね。よかったー。それだけは僕も困るから」

「そうですよね。人質を帰すことなんてできないですもんね」

「人質だから帰せないとかでなくて、リリーがいなくなると僕は困る」

 ウィル様が『困る』? 私がいないと困ることって?