ウィル様は、成人を迎える日に、この衣装で式典に臨まれるんだ。あの謁見の間で。
「私も出席したかったな……」
意図せず、本音がこぼれ落ちてしまった。
「リリー……」
ウィル様が真顔になった。
しまった!
「そ、そういえば、王妃様から依頼されていたネックレスとイヤリングをもうすぐお渡しできそうなんです。ネックレスはもうできてて、イヤリングももうじきで……」
「いよいよかー。母上はそれはそれは楽しみにしてるよ。『急かしたらダメよね』って我慢してるだけで。実をいうと僕もなんだけどね」
なぜウィル様が、王妃様のアクセサリーを?
ああ、そっか。この仕事の架け橋をしてくれたのはウィル様だ。だから、最後まで見届けたいって思ってくれてるんだろう。
そのとき、ウィル様が『間に合いそうだな』とこっそり呟いたのが聞こえた気がした。



