人質になります!と意気込んだものの、これって全然人質の扱いじゃないですよね?


「へへっ。これ、お兄様の成人祝いに着るんだ」

「とってもお似合いです」

「どうしてもリリーに見てもらいたくて、それで呼んだんだ。来てくれてありがとう」

「私も見せてもらえてうれしいです」

 おべんちゃらなんかでなく、率直な感想だった。

「あーあ、リリーにもパーティーに出席してほしかったな」

 式典とそのあとのパーティーに出席できるのは貴族だけだ。当然、私にその権利はない。

 本心では、私だってそのことは残念に思っていた。

 だけど、ウィル様の成人を祝う宝剣の製作には携われたんだしね、うん。

 そう考えることで、自分を納得させたのだった。


「リリーを困らせてはダメだよ」

 パーティションの裏からウィル様の声がした。

 ウィル様もいたんだ!

 袖のボタンを留めながらウィル様が、こっちにやってきた。