人質になります!と意気込んだものの、これって全然人質の扱いじゃないですよね?


 それにしても衣装部屋? それと、それってどこのこと?

 でも、テオ様が『来てほしい』と言っているのだ。

「今行きますね」

 私は使いかけの道具を簡単に片付けて、テオ様の侍女についていった。

 テオ様の侍女は最上階へ続く階段を上っていく。

「私が立ち入ってもいいんですか?」

 私は小声で尋ねた。

 ウィル様が初日に案内してくれたときに、『最上階は王族の居住スペースになっているんで、そこへは勝手に入らないでください』と言っていたのを思い出したのだ。

「普段は禁止ですが、本日はテオドール様から呼ばれてのことですから、いいんですよ。こちらです」


 衣装部屋へ通された途端、テオ様が駆け寄ってきた。

「リリー!」

「わあ! テオ様、その恰好はどうしたんですか?」

 テオ様は正真正銘、王子様だったんだ(おかしな表現だけど)。

 衣装もだし、その衣装を着こなす気品も!