人質になります!と意気込んだものの、これって全然人質の扱いじゃないですよね?

 私はネックレスに続いて、イヤリングの製作に取りかかった。

 その頃になると、王城ではウィル様の成人を祝う式典とパーティーの準備が始まった。

 すると、王城内はにわかに活気付いた。

 みんな忙しそうなのに、その忙しさを含めて楽しんでいるように見える。

 まあ、私は完全に蚊帳の外で、私の生活には何の変化もないんだけどね。

 卑屈になっているわけではない。だって、当たり前のことなんだから。

 ただ、ウィル様も多忙になってしまったようで、お茶のお誘いがめっきり減ってしまったことだけは淋しかった。

 だけど今はイヤリング……そうイヤリングを作るんだ!


 そう思いながら工房で勤しんでいたところへ、突然の訪問者がやってきた。

「こちらにリリー様はおられますか?」

 イヴリンさんの声ではなかった。