人質になります!と意気込んだものの、これって全然人質の扱いじゃないですよね?


「リリーさん、申し訳なかったっす」

「本当にごめんなさい」

「反省するんで、今製作中のを見せてもらえませんか?」

 このときは胸が熱くなって、何かがこみ上げてきそうなのを必死で堪えたんだった(今思い出しても、あのときの熱は蘇る)。

「完成まで全然まだなんですけど、それでよければ!」


 これをきっかけに、私たちは話をするようになった。

 他の職人さんが私の知らない道具を使っているときには、私からお願いに行って見学させてもらうこともある。

 一緒に休憩時間を過ごすのも普通のことになった。

 気づいたときには、私は間借りしているだけのドワーフから、修理工房のメンバーになっていた(私は修理はしていないけれど)。

 そうして私は順調にアクセサリー製作に取り組んだ。

「ふう、できた」

 先ずはネックレスを完成させた。

 小さな声で呟いたはずなのに、工房の仲間が作業を中断して私の作業机を囲んだ。

「ついにか、やったな」

「見せてくれよ」

「うわー、細かいなー」

 みんなが口々に、『おめでとう』、『お疲れ様』と労ってくれたのだった。