お父さんは長い沈黙の後、絞り出すように言った。
「メリーが石化病にかかったそうだ」
せ、石化病!?
それはドワーフ特有の病だ。徐々に体が石化してゆき、そして死に至る。進行のスピードは個人差があるが、半年から3年の間に完全に石になってしまう。
ドワーフ達の間では、昔から石化病の原因は太陽の光だと言い伝えられてきた。
だからこそドワーフ達は太陽を避け、森に住んできた(鉱石類の採掘場である山脈に近くて便利という理由もあるんだけど)。
しかし、本当のところはよく分かっていない。
いくら日光を浴びても何ともないドワーフもいれば、坑夫として日中は洞穴に潜って働いているにも拘らず、発症してしまうドワーフもいる。
原因が分からないだけでなく、石化病がさらに厄介なのは、有効な治療法がない不治の病であることだ。
そしてメリーというのは、現在王城で人質として暮らしているドワーフの名前だ。お父さんのお姉さんで、私の伯母さんにあたる。
私は会ったことがない。



