向こうにしてみれば、気にする素ぶりを見せるでもなく、毎日のん気な顔してやってきては作業しているように映ったってわけだ。
実際はただ集中してただけなんだけど、歯牙にもかけてないんだと勘違いさせてしまった。
そうして鬱憤が溜まった頃、工房長さん始め年長者が短時間だけ、ごっそり工房を抜ける機会があった。工房に残っているのは若手のみになった。
「あーあ、ドワーフの人質はいいよなー」
手が止まった。
私……のこと……?
考えるまでもないじゃない。該当者は私しかいないんだから。
いくら集中していたとはいえ、これだけ聞こえよがしに大きくため息を吐かれたら、さすがに耳に入った。
「王族の同情を引いて、取り入って。ここは子どもの遊び場じゃねえっての」
「ホント、ホント。俺なんかここに勤めるための紹介状を書いてもらうのに、めちゃくちゃ苦労したっていうのによー」
「おいおい、やめとけって。告げ口でもされたらどうすんだよ」



