今ではすっかり工房に溶け込めている。そのことがうれしい。
だって、最初からこうだったわけではないから。
ウィル様に連れてきてもらって初めて工房を訪れたときは、懐かしい雰囲気に胸がいっぱいだった。
だから、工房長さんの友好的な態度しか気がつかなかった。
複雑な思いの人たちもそこにいたっていうのに。
私は他人の機微にどうも鈍感みたい……
材料が揃ったという連絡をもらって工房に赴いた私は、『この作業机を使って』と工房長さんから専用のスペースをもらった。
工房のメンバーと共同作業することもないから、挨拶もおざなりに黙々と製作に取りかかった。
言い訳させてもらうと、久しぶりのアクセサリー製作だったから待ち切れなかったのだ。自分でも失礼だったと、今なら思う。
さらに悪いことに、私は集中すると周りは見えなくなるし、音も聞こえなくなってしまう。
ちょっと冷たいくらいの視線や遠回しの嫌味なんて……ねえ?



