人質になります!と意気込んだものの、これって全然人質の扱いじゃないですよね?

 無数にキラめくシャンデリアの光の粒が、王子様、そして私の頭上へと降りそそぐ。

「フルオーケストラにはほど遠いんだけど……」

 王子様は申し訳なさそうだけれど、カルテットでも充分だ。

 ふたりだけのプレ・パーティー。

 こんなことってある?

 人質として、王城に来たはずなのに……

「リリー、踊ろうよ」

「えっ、踊り方が分かりません!」

 社交ダンスなんて、私はとてもではないけれど踊れない。

 王子様だって、そのくらいのことは分かっていると思うのに。

「ドワーフの踊り、僕も少しだけ踊ったことあるよ」

 そう言って、王子様が1、2、3のリズムに合わせて、床を踏み鳴らしたり、ジャンプしたりしてみせた。

 そういうこと!

「私たちの踊りに、きちんとしたルールなんてないんですよ。ただリズムに合わせて体を動かして、手拍子足拍子を取るだけで……」

「自由でいいよね」