この三カ月で起きた出来事をざっと話すと、大爆笑する真子。
クールな性格だけれど、笑い上戸でもある。

「何、その漫画みたいな展開」
「真子の結婚式の日が人生最悪の日かと思ったのに、悪運尽きずにドミノ倒し。自分でも笑えるよ」
「神坂さんって、性格はどうなの?前にネットでググったんだけど、超イケメンじゃない。御曹司で医者でイケメン。これで性格も完璧なら、夕映の人生、結果オーライじゃない」

性格ねぇ……、どうなんだろう?

「意地悪い時あるし自己中な所もあるけど、思いやりもあるし気遣いも上手いから、世間一般的な評価としたらいい方なんじゃないかな」
「え、何が不満なの?」
「……彼がどうのこうのではなくて、現実問題、大病院の跡取り息子でしょ」
「うん」
「私みたいな田舎娘では、つり合いが取れるとは思えなくて」
「でも、彼はちゃんと結婚も考えて、夕映にプロポーズしたんでしょ?」
「……そうだと思うけど」
「ならいいじゃない。これから見合う女性になれば」

これから……?
そうか。
医師としても女性としてもまだまだ発展途上だったとしても、彼が言っていたように、これからもっと成長すればいいのか。

「あっ、則くんからだ」

真子のスマホに則先生からメールが来たらしい。
ぶつぶつ言いながら返信してる。

なんだかんだ言って、真子は則先生のことが大好きだからね。
赤ちゃんも授かったことだし、心豊かに過ごして欲しいな。

「夕映、ごめん。一枚撮っていい?」
「いいよ」

真子に悪い虫が寄り付いていないか心配な則先生は、毎度こうして証拠写真を欲しがる。
『鬱陶しい』だなんて口にするけれど、グロスを塗り直してるじゃない。
好きな人に綺麗な姿を見せたいがためのメイク直し。

私も、真子を見習わないとかな。