「は、見てんじゃねぇよ堂々とセクハラかよ」

「ちょっ、人を変態みたいに言わないでよ!見えちゃったの!てゆーかどうしたのかなっていう心配だし!」

「数学は?」

「話変えないでよ!」

はぁ~っとわざとらしくタメ息をついて、日誌を埋めながら嫌そうに答えた。もちろん、私の方なんか1ミリも見なくて。

「筋トレしてて失敗したんだよ」

「どんな筋トレしてんのよ」

「ダンベル落とした」

ダンベル胸に落とすってどんな筋トレ!?

想像してみたけど状況がよくわからなくて詳しく聞こうと思ったんだけど…

「何やってんの!?大丈夫なの、それっ」

「おぅ、全然。で、数学って何?プリントは自習になんの?」

「うん、それは自習で…」

ケイにあっさり話を流されたのとプリントって聞いて思い出したから聞きそびれちゃった。

「待って私まだ出してない!!」

そうだった、今日の数学でやったプリント提出今日までだった!授業中に終わらなかった時は自分で先生のとこまで持って行かなきゃなんだった!!

「職員室行って来る!」

机の上に置いてあったリュックからクリアファイルを取り出してプリントを探した。

よかった~、思い出して!
今から持ってけばまだセーフだよね、先生たぶん職員室だから!

「俺も行く」

「え…いいよ、職員室ぐらい1人で行けるし」

スッと立ち上がった、まだ日誌は途中でシャーペンを置いて。

「ケイはそれやってて」

「行くよ俺も」

「大丈夫だよ、ちょっと職員室行くだけだよ?」

ちょっと職員室まで遠いけど行って帰ってくるぐらいだもんほんの10分とか20分とかそれぐらいだからと思って、プリントを持って教室を出ようとした。

なのに…