「あ、雪降ってる!」

教室から窓の外を見たらパラパラと雪がチラついてた。繊細そうな雪だなぁ、積もらないねコレは。

「ケイ、日直日誌書けた?」

「まだ…2限って何だっけ?あ、現国か」

私が窓の外を眺めてる(かたわ)らで日直だったケイが1日の出来事を一気に書いていた。ホームルームが終わってみんなが部活へ行ったり家に帰ったりする中、相変わらず私たちは教室に残ってた。

「授業内容とか覚えてねぇよ」

「一気に書こうとするからだよ、てゆーか授業はちゃんと聞いておきなよ」

こんな感じだけど期末テストは私よりよかったもんね、人が変わったみたいって話題になっちゃうくらいに。

もう人が変わったんじゃないかって、言われてるけど…


クラスの中心にいた彗くんはもういなくて。


「前回の続きでいいか」

「よくないよ、現国は舞姫だよ」

窓から離れて席に座るケイの前に立った。

しょーがないから教えてあげようと思って日誌を見たつもりだったんだけど、何気なく見えちゃったことが気になって。

「…それどうしたの?」

思わず聞いちゃった。

ケイを上から見るなんてことないから、しかもはだけたシャツの中を覗くことなんてまずないのそれは絶対に!


だからシャツの中から見え隠れするアザ…?


みたいな、傷跡に目が行っちゃった。