9月ってほとんど夏ぐらい暑いからたぶんまだ夏だと思う、学校は始まるのにね。

「紫衣ちゃん今日どっか寄ってく?」

「いいよ、寄ってこ!」

ふつーーーに2学期が始まってた。
ちょこちょこ夏休みの間も彗くんとは遊んでたし、電話もLINEもしてたけど…変わりなく彗くんだった。

それはもちろん!
いいんだけど、むしろそっちのがいいんだけど!

私の知らないところの彗くんは彗くんだったのかなって、きっと聞いたら怒られるんだろうなぁって思ってモヤモヤだけしてた。

「夏休みって短いよね」

学校を出てとりあえず歩き出した彗くんが嘆くように言った。

「そうだね~、始まっちゃえばすぐだよね!」

1ヶ月ちょい休みがあるけど、宿題は多いしたまに学校行かなくちゃだしそーだよね~って何気なく返したつもりだった。

んだけど…

「家にいるとすることないからかな?学校だとまず学校行くけど、家だとなんもなくて寝てたら1日終わり!みたいな」

ドキッとしちゃった、なぜか私が。

「オレ記憶飛んでんのかなって思うよね」

ははって笑う彗くんはきっと気付いてはないと思うの。

でも感じる異変はきっとー…

「でも紫衣ちゃんと行った夏祭りは楽しかった」

私の方を見てにこっと口角を上げる。

「…うん!」

「夏休み1番の思い出!」

そう言って今度はいっぱい笑ってくれた。

一緒に夏祭り言った記憶はあるんだね、よかった。水ヨーヨー取ったまでは彗くんだったしね、そのあとはどんな記憶操作がされてるのかわかんないけど…聞かなくてもいいか彗くんの中でいい思い出ならね。