車の中に連れ込まれた桃子。 そして運転している母親が先ほどから独り言、なのか、ブツブツ何か言っている。 桃子は車の中で小さくなって俯いていた。 絶対に2人から離れたらダメって言われてたのにそれなのに。それなのに····· と桃子は後悔していた。 どのくらい車で走っただろうか。 わからない。 桃子は怖くて何時間にも思えたから。 「降りなさい」 そう言われて、言われた通り車から出る。 車から出て初めて外の景色を見た。 そこは見覚えのあるところだった。