「悪いちょっとトイレ行ってくる」


青葉がトイレに行き、赤宮はお会計中。

桃子はお店の中に置いてあった、綺麗な桜の花びらがついたヘアゴムが目に入り、もう少し近くで見ようとお会計中の赤宮から少し離れた。

それが間違いだったと、後で後悔する。


『やっと1人になった』


待ってましたと言わんばかりに黒い影が桃子に近づき、桃子を覆った。


「っ!·····」


桃子は驚いて声も出せなかった。

ただただ震えることしかできないでいると、その黒い影は桃子とともに消えた。