桃子がきてから数日が経った。


みんなは薄々気がついていたが、あまり言わないようにしていたことがある。


それは·····

 
「ももちゃん喋った?」

「いや·····」


赤宮と青葉は桃子がなかなか喋ってくれないことを気にしていた。


「どうだ?」

「まだみたいだね」


黒神と白洲もまた、同じように心配していた。


そう、桃子はここに来て一度も、一言たりとも声を出していないのだ。


最初はただ初めて会った人や場所に、警戒、緊張しているのだと思っていたのだが·····