「れんくん、しーちゃん·····スンっ、みーや、あおちゃん、みんな·····」


桃子は1人、新しい家で泣いていた。


夜ご飯も食べ、お風呂にも行き、寝る前に両親と少し話をした。今後について。

学校の転入手続きをして、新しい学校に行くことになるということを話していた。


前も学校には行っていなかったものの、学校には在籍していた。

ただ、名前だけ。


病気だと言ってうまいこと誤魔化していた。

母親·····“元”母親は外面だけはよかった。

家に訪ねてきた担任に泣いて心配しているように見せたり、あえて今日は体調がいいみたいと言って笑顔を見せたり。

女優にでもなれるんじゃないかというくらい、本当に上手いこと誤魔化していた。