「例の件、彼女はどうだ?」


「…候補として考えてはいますが、まだ現場入りして日が浅いのでようすを見ようかと」


「それは実に楽しみだ。どんな子なのかね?」


「まっすぐで仕事熱心な者です。まっすぐすぎるのが短所でもありますが。…それから、男ぎらいなのも少々問題ですね」




 仕事に私情は必要ない。

 いつか矯正しなければいけないな。




「ほう。おまえとはうまくやれているのか、風真?」


「えぇ。どうやら俺は例外のようで」


「ふむ、それは実に興味ぶかい」




 藤枝がいつから俺に好意を向けるようになったか、興味がなくて覚えてはいないが。

 去年、生徒会でともに仕事をしていくなかで、いまの状態になった気がするな。


 まぁ、右腕として問題なくはたらいてくれるのはいいことだ。

 成長を見こんで…。

 学期末には、父から命じられた件、判断を下してもいいかもしれないな。