108番の言うとおり…休憩時間に入ったからって、ちょっと気が抜けてた…!


 怒りと悔しさで歯噛みしていると、カラカラと医務室の扉が開いた。

 視線を向けた先にいたのは、ベッドとは反対の、棚のほうに顔を向けた林郷(りんごう)先輩で。




「林郷先輩…っ!」


「…藤枝(ふじえだ)?」




 こっちに顔を向けた林郷先輩は、眉を上げてこころなしかおどろいた顔をする。

 すぐに、108番を取り押さえて、とたのもうとすると、私の腕を拘束していた108番の手が離れた。





「続き、しようぜ?景依」




 やけに甘ったるい声に身ぶるいする。

 視線をもどすと、108番は私の首元に手を伸ばして、ぷつんとボタンをひとつ外した。