「ぐっ…!」


「目撃者がいるようですね。手を出した72番はもちろん反省すべきですが、そもそものきっかけを作ったあなたも反省が必要です」




 私は「連れていってください」と2人を拘束しているGebot(ゲボート)生に指示を出して、ちょうばつ房に行かせた。

 人数が減ったし、彼らがもどってくるまで私はここにいたほうがよさそう…。

 Verbrechen(フェアブレッヒェン)に作業を再開させながら、私はそう考えて木工工場の壁ぎわに寄る。


 そんな私に、兎杏がこっそり近寄って声をかけてきた。




「来てもらってごめんね、景依ちゃん…わたしも生徒会の一員なのに、情けないね…」


「兎杏…2年はみんな、現場に入ったばっかりなんだからしかたないよ。これから学んでいけばいいの。そのために先輩や私たち特進がいるんだし」


「…うん」