びくりとふるえた体の愛おしさと言ったら。
押しに弱すぎる景依を見ると、もっととろけさせてやりたくなって、つい迫りすぎる。
だけど、今日は景依もすこしちがうようだ。
くん、と俺の服をひっぱって、まっかな顔を上げた景依は…自分からキスしてきた。
「私、も…」
とろけた瞳に俺への気持ちをあふれさせて、せいいっぱいをぶつけてくる。
そんな景依をまえにして、俺が止まれるわけもなく。
「あー、もう…帰さねぇぞ」
笑って警告してから、最愛の女を腕のなかに閉じこめて、時間を忘れるほどたくさんの愛を注いだ。
それから俺たちが“オトマリ”という新たな密会手段を覚えたのは、また別のはなし。
[終]



